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集客力Upのためのコミュニケーション戦略──「あなたはお客様と何を語り合いたいのですか?」

「あなたはお客様と、何を語り合いたいのですか?」

この言葉は、2005年に出版された名著(と私が勝手に思っている)『顧客と語らえ! ─ クイジング入門 ─』(弘中勝著)という書籍のプロローグに出てくるメッセージです。
顧客と語らえ!
 
出版から14年が経過しますが、未だにこの本に描き出されるビジネスの課題というのは「色あせない」というより、ますますクリティカルなものとなっているように感じます。
 
マーケティング、集客を考える上で、私たちが考えるべきは「お客様に何を伝えたいか」ではなく「お客様と何を語り合いたいか」なのです。
 
それはそもそも、「ビジネスのあり方として、そこを目指すべき」ということは確かです。
ただ、それ以上に「時代」というものも重要な要素になっています。だからこそ「ますますクリティカルなものとなって」いるわけです。
 
著者の弘中氏は、第一章の冒頭で、こう語りかけます。

彼らは、「どうやったらメッセージが届くようになるのだろう?」ということに関してはうんうんと唸りながら考えるのに、「なぜ、お客様にメッセージが届かない時代になったのだろう」という根本的な原因についてはまったく知ろうとしないのです。
(中略)
そして、膨大な労力と費用をメッセージの押し売りのために投じた挙げ句、お客様の反応はほとんど変わらなかったと肩を落とすことになります。

売るのが難しくなってきた?

2017年くらいを境に、この10年ほど主流になってきたセールスページと呼ばれる、願望やコンプレックスの痛みを煽るキャッチコピーから始まり、縦に長い、デザイン性に富むWebページの反応が鈍くなったと言われています。
 
もちろん、スマホがメディアの主流になって、情報のとり方が変わったというのも大きな要因でしょう。
(なので、動画マーケティングがじわじわと来ていますよね…)

そういえば、LINE第1メディア局局長でありNAVERまとめの編集長も務める桜川和樹氏も、現在中心的になっているスマホというメディアが”誰かとやりとりするデバイス”であることが前提だとしつつ、情報はコミュニケーションの中で伝わるものであり、それはアクション(発信側)とリアクション(受信側)のやりとりをデザインしないと功を奏しないよ、と語っていらっしゃいます。

マーケティングに関わっている方はすでにご存じと思いますが、そういうセールスページの主流であった「問題(problem)⇒扇動(agitation)⇒解決(solution)」というコピーのプロット(流れ)の受けが悪くなったとも言われます。

このPASの流れをマーケティングに活かすということで「PASONAの法則」を主張した神田昌典氏が、その後「A」をAgitation(扇動)ではなくAffinity(親近感)に置き換える「新PASONAの法則」と言い換えたのも象徴的です!

 
あるいは、いかにも”素人ががんばって研究した成果をみんなに公表するよ!”というスタンスに見せかける「記事風広告」と呼ばれる疑似セールスページも流行していますよね?
 
ま、そういう時代だよ、と。
 
一方的にライティングテクニックを駆使してものを売る時代は終わりつつあるよ、と。
一方的に情報を押しつけて、願望を煽るような売り方じゃ、寿命が短くなるよ、と。
 
恐らく、僕らはYouTubeやFacebook、Twitterといったメディアで、単に面白おかしいことを垂れ流すだけでなく、読者・視聴者と十分にコミュニケーションをとることでファンを獲得している、そんなコミュニケーションのあり方を、今度こそ本気で目指さないといけないんじゃないか? そう思うんです。
 
いや、完全に弘中氏の本に感化されてるだけですけど。(笑)
 
うん、でも、今流行の「サブスク型」のビジネスモデルである「オンラインサロン」とか「コミュニティ運営」とか、あるいはここ10年以上、ビジネス界で注目され続けている「プラットフォーム戦略」だって、すべては顧客(候補)との良質なコミュニケーションで成り立っているものですよね。
 
 
その「顧客とどう語らったら、コミュニケーションが深まるか?」ということを、深く深く考えさせられるのが本書『顧客と語らえ!』なのです。
 
弘中氏は、サブタイトルにあるように「クイジング」と呼ばれる「クイズを出題することでマーケティングする」という手法を採用しています。
 
ただし!
 
ただ余興としてクイズを出せばいいというわけではありません。実際、新聞広告などに観られる「この夏、新たに登場したのは日清カップ○ーメン・もずく味。さて、○に当てはまるカタカナ1文字は?」なんていう安直なクイズを頭から否定します。

プロモーション事業を立ち上げる際に「クイズを使えばいいんだ!」と考える人は、いつの世にもいるというわけです。しかし誰もが失敗していきます。同じようなアイデアの人が、同じような失敗を繰り返しているのです。
── 『顧客と語らえ!』 p.49

というわけです。
 
そして、弘中氏はクイズが本当に顧客の心をとらえ、あなたのこと、あなたの商品のことに興味を持ってくれるようにするためには、まずもってお客様のことを十分に知ることから始めなければならない、と語るのです。
 
その上で、お客様がワクワクするようなクイズを、売り込みたい商品を前面に出すのではなく、むしろそれを完全に隠した上で作ることが重要であるとしています。(P.66から70の例は眼から鱗、必見情報です!)
売り込むのではなく、関心を持たせ、興味をかき立てた上で、ようやく商品アピールへ…というわけです。
 
 
・・・と、この本のことを紹介するのはここまで。
 
この本は、私が紹介するポイントだけ読んで満足してもらっても困ります。
もちろん、読んで満足するための本でもありません。

  • 果たして、自分は今まで、お客様となってくださる(はずの)方のリアルな姿、気持ち、願いを想像できていただろうか?
  • 果たして、自分は今まで、自分本位にならず、お客様が知りたいこと、聞きたいことを先取りし、それに応えるような発信をしてきただろうか?
  • 果たして、自分のこれまでの発信は、売り込みにならず興味や関心を引き出すようなものになっていただろうか?
  • 果たして、自分のホームページやブログ、メルマガは、お客様とのコミュニケーションが生まれるような作り(コンセプト、設計、コンテンツ)になっていただろうか?

そんなことを問い直すきっかけにしてみてください。

読んだ感想や学びをシェアしませんか?

『顧客と語らえ! ─ クイジング入門 ─』(弘中勝著)
顧客と語らえ!
 
今回、この本を中心に「発信」「マーケティング」というものについて、あなたと語り合いたいと思っています。
これまで「自分プロモーション読書会」をリアルに開催していましたが、それをWeb上で(つまり、このページで)開催できないか?というわけです。
 
もし、あなたもこの本からの学びを深めたいとお考えなら、以下の点について考えたことなどを、匿名でかまいませんので、この記事のコメント欄にシェアしてみてください。そして、他の人の書き込みに対して、自分なりの意見などを返信的に書き込んでみてください。

問い1:この本を読んで、自分の発信に欠けていたと感じたこと、マーケティングについて認識を新たにしたことを教えてください!

問い2:この本を読んで「これはぜひやりたい」と思ったことを、最大3つほど教えてください!

問い3:この本を読んで、どうにも腑に落ちない、ちょっとどう考えていいか分からないと思ったことを1つ教えてください!

ということで、ぜひこの本について語らいましょう!
(*・ω・)ノ

8月31日(土)福岡でリアル読書会開催!

13時から、「ことのば」にて本書を課題図書とした読書会をおこないます。
一冊の本を読んで終わらせて「学んだ気分」で終わらせるのではなく、自分の学びを言葉にして整理しつつ、他の人と意見を交流させることで深めてみませんか?

日時

  • 2019年08月31日(土) 13:00-15:30くらい

会場

  • 福岡市早良区高取1-1-30 ことのば
    (藤崎駅4番出口から商店街方面に徒歩3分)

参加費

  • 参加費は3,000円です(コーヒー、お茶菓子付き)
    ※初参加の方は1,000円

参加方法

参加をご希望の方は、この記事のコメント欄に「お名前(ニックネーム可)」を明記の上、三回し表明をどうぞ。もしくはTwitterのこのツイートにメンションしてください。

追伸(課題図書が姿を消した?)

この記事を公開して、メルマガで書籍を紹介したら、オンライン書店からこの本が姿を消しました。
そして、中古市場も値段が10倍に跳ね上がり…
困ったものですね…

  • コメント ( 1 )

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  1. Terada

    リアル読書会(福岡/藤崎)に参加をご希望の方は、このコメントへの返信にてご連絡ください。

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