マーケティング志向の名刺を作るための3つのポイント
せっかく名刺交換をしているのに、それが自分の仕事に1 mmも貢献していない…
それはもったいない話です。
名刺を、自己紹介のキッカケにしつつ、
記憶に残してもらうフックにしてもらい、
お仕事上のご縁をいただく──
そんなツールとして活用するためのポイントを
備忘録的にまとめておきます。
よかったら参考にして下さいませ。(^^*
マーケティングの基本を確認する
簡単に言うと、名刺をマーケティングのツールにしてしまおうというお話。
ですから、マーケティングの基本を忘れないようにしなければなりません。
1.長くおつきあいしたいお客さまは誰かを明確にイメージする。
名刺交換の場面は様々ですが、出会った人たちすべてをお客さまにしたい!などという発想は捨てなければなりません。
あくまで、価値観を共有でき、自分がよろこんで貢献でき、相手もよろこんであなたを求めてくださる──そんな相手をイメージすること。
それが第一歩です。
2.自分は何者か、自分が提供できる価値は何か明確にする。
自分が自信を持って貢献できることは何か、自分のサービスの本当の価値は何か、それを使うとどんなステキなこと(ベネフィット)が待っているのか、言葉で整理しておきましょう。
整理されていない言葉が、相手にするどく刺さることはありません。
3.興味のフックを用意する。
基本的に「人は誰しも、今、自分にリアルに関わること、興味・利益があることにしか関心を向けてくれない」ものです。
一期一会のご縁を「長く続くご縁の第一歩」につなぐような、相手の興味をぐっと引き寄せるコンセプト、相手の記憶にフックするようなキーワードを用意しておきたいところです。
プレゼンテーションの基本を確認する。
次にプレゼンテーションの基本を確認しておきましょう。
名刺はマーケティングのための重要なプレゼンツールですからね!
1.エトス…自分は何者であるか、相手への印象
自分をどんな存在として認識して欲しいか明確に意識しなければなりません。
それは使うフォントや文体、表現といった、いわゆるトーン&マナーもそう。
使う写真も重要ですし、自分が何者かを定義づけるキャッチコピーも超重要!
その時、「よりよい私」ではなく「他者と違う私」を表現するポジショニングを言葉で表現したいところです。
2.パトス…受け手の抱える問題への共感、深い理解
相手の抱える問題について、専門家として深い理解と正しい見識を持っていることを伝えなければなりません。
エトスの表現を「あなたの○○に貢献します」、「あなたは××を得られます」という受け手目線の表現に翻訳できると完璧です。
3.ロゴス…エトス、パトスで語ったことをすっきり伝える
その価値ある私が「なぜ価値がある」と言えるのか、その根拠を、実績と軌跡でもって証明しなければなりません。
「私はお役に立ちます。なぜなら○○ができるからです。それは××な中で培いました。実際、~な実績を上げています。」──簡単に言えば、そんな話。
名刺における起承転結
── 名刺にも起承転結の流れを…!
これはブランディングコンサルタントとしてご活躍の村尾隆介さんの教えです。
この発想は非常に重要なんです!
「結」の部分で、受け手にどんなアクションを取って欲しいか?という結論からのトップダウンで名刺全体の流れと機能をデザインすることは忘れてはなりませんね。
村尾隆介氏の名刺作りについては、『今より高く売る! 小さな会社のブランドづくり』をどうぞ。
数ページですが、名刺作りのキモを分かりやすく解説してくれています。
もちろん、名刺も含めた「村尾流ブランディングのセオリー」をトータルで、具体的に学べます!
ということで、2つ折り名刺(4面)の構成を説明してみたいと思います。
(村尾さんの考え方とは全然違います。悪しからず。)
起:自己紹介,名刺としての基本機能部分
右開きにするか、左にするかは好みの問題ですが、横書きですから「左綴じ、右開き」という前提で解説します。
ひとまず表面。「起」の部分です。
ここには、「パトス」を全面に出しつつ、「エトス」を表現します。
なにしろ、相手との一番のコミュニケーションを司るところですから。
具体的にいうと、一番トップに「あなたに、こんなステキなご利益を提供します!」というメッセージを置きます。(パトス)
その下に「自分のキャッチコピー」を添えて、自分の名前を。
相手に提供するご利益を、どうやって実現するのか、自分は誰にとっての何屋なのかをコンパクトに表現したいものです!
承:中面左,自己紹介についての詳細な解説
ここは基本的に「エトス」を伝えるエリアと理解しましょう。
あなたに貢献したい私とは、いったい何者で、どんな歴史を歩んできたのか。
そして、どんな世界を目指そうとしているのか。
あなたの職業観、世界観、哲学をヒトコトで表現した上で、ミッション・ビジョンを語りましょう。
そして、それが信頼するに値するということを、あなたの歴史的事実をベースに語ります。いわゆるプロフィールです。
ということは、このエリアはあなたの過去と未来を表現するエリアという言い方もできそうです。
相手に響くストーリー、心を揺さぶる想いをクールに表現したいところです。
転:現在を語る。あなたの実績、得意技
あなたの過去と未来をつなぐ「現在」を、詳細に語ります。
トップで見せた「私の提供したい価値」が本物で、間違いがないことを実績で証明します。
つまり、ここは「ロゴス」のエリアということになります。
「よりよい」ことを語るのではなく、ライバルとの「違い」を見せることも重要ですね。(^^*
結:志を見せ、「ご縁」をつなぐ
ここで相手の心に「何か」を残せるかどうかが勝負。
どんな時に自分に声をかけて欲しいのか?
どんなサービスを展開しているのか?
そんなことをお知らせしつつ、ご縁を持つことに何のリスクもないこと、むしろメリットが大きいことを伝えましょう。
「メルマガ登録してくれたら○○をプレゼント」など、名刺を交換した方だけの特典があるといいかも知れませんね!
ちなみに、村尾さんはここで無理にご縁を結ばず、名刺交換したその日の内に特製葉書をお送りすることで、より強いご縁を育むようご指導していらっしゃいます。
葉書を書くかどうかで、この「結」の〆方が変わりますね。そこまで計算しておきましょう!
名刺のサンプル(と言いつつぼやかしまくり)
細かな言葉はともかくとして、名刺のサンプルを見ていただきましょう。
こちらは私がプロデュースのお手伝いをした速読インストラクターさんのものです。
事情により、あえて詳細をぼやかしてます。すんません。(^^;
1.表(起)
2.中面左(承)
3.中面右(転)
4.裏(結)
非常に役に立つ参考文献
このブログ記事だけでは、分かったような、リアルにイメージが浮かばないような…という状態だと思います。
ですので、名刺作りに非常に役に立つ書籍を2冊ご紹介いたします。(最初から、この2冊を紹介する前提でザックリ書いております。すみません。)
ぜひ手にとってインスパイアされながら、楽しく名刺作りに励んで下さい!
『渡すだけで仕事が取れる「絶対受注名刺」』(福田剛大著)
表紙を見ただけでセンスのなさが漂う本ですが、、、これがどっこい!すごくいい本です。
この本を読んでいると、2つ折り名刺を作りたくなりますし、具体例が抱負なので、いろいろインスパイアされちゃいます。v(^^*
中身はと言いますと、今書いたとおり2つ折り、4面の名刺の意味、作り方が具体的に説明されています。
ただ、名刺の役割として「自分の使命を伝える」こととしながら、「名刺を肴に、その場で話が盛り上がる」ことも大事にし過ぎており、名刺の中身がちょっと収拾が付かなくなっている印象も否めません。
また、具体的なコピーの磨き込み方についての説明は物足りなさを覚えます。その部分を補うのが次にご紹介する本ですので、ぜひセットでどうぞ。(^^*♪
⇒『24人に1人 渡すだけで仕事が取れる「絶対受注名刺」』(福田剛大著)
『口ベタなあなたを救う しゃべる名刺』(中野貴史著)
名刺の作り方を学ぶ本というより、書き言葉によるマーケティング&ブランディングを学ぶ教科書として秀逸な本です。
名刺はいいよ、という方にも、HPその他のマーケティングツールを作る参考書にお勧めです。
名刺としては4面どころか超多面名刺ですので、紙面構成については「参考程度」に読んでいただければ、と。(^^;
ですから、名刺の構成は福田さんの本と、上記私の解説を参考にしていただき、何をどう盛り込み、どう表現するかという「言葉の教科書」としてご活用いただければと思います。
特に自分のキャッチコピーをどう作るかという部分は、メソッドとして非常に参考になります。
⇒『口ベタなあなたを救う しゃべる名刺』(中野貴史著)
ということで、名刺交換がファン作りの場、マーケティングの場となるよう、ぜひ名刺を丁寧に作り込みましょう!
名刺交換でクロージングしようとすると嫌われます。
ですが、名刺を肴に自己紹介をおこない(当然、何をどう語るかということも「起承転結」のプロローグとして計算せねば!)、相手の興味と記憶のフック、行動へのトリガーとして名刺を活用できれば、お互い気持ちよく交流ができますよね!
蛇足…
時々、名刺交換をしただけで勝手にメルマガに登録して送りつける人がいます。
おまけに「解除するには、このアドレスに返信してください」なんて図々しいことを…。
ぜひ、そんな下品なことはなさらぬよう。そのためにも、相手に行動を起こしてもらう仕掛けを名刺に…!ですね。(^^*
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